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相続登記を放置した場合の問題解決策

相続登記(相続による不動産の名義変更)をしないとどうなりますか?

様々な問題が起きるため、おすすめはできません。
また、法律の改正で、令和6年4月1以降、相続登記が義務化され怠った場合の過料(10万円以下)の制裁も導入されることになっているため、放置できない状況になっていきます。

問題点1 現に居住している方の不安定な状況が続く

  • 他の相続人から,住んでも良いけど賃料を支払って欲しいと請求される可能性がある。
  • 他の相続人から,立ち退きを請求される可能性がある。
  • 長年,相続人の1人である居住者が固定資産税を支払っていても,他の相続人に当該不動産を持って行かれる可能性がある。
  • 固定資産税を支払わないままだと,役所から納税管理者を定めて欲しい旨等の通知が相続人へ届く。役所の通知を放置しておくと,不動産自体が差し押さえられる可能性がある。

解決策

  • 賃料や立ち退きを請求されないように,遺産共有状態を解消し単独所有となるよう遺産分割協議や調停手続きを行う。
  • 固定資産税を支払っていたからといって自分の所有物になるわけでは無い。支払っていた固定資産税の領収書は取っておき,事後的に清算できるよう準備しておく。
  • 役所から固定資産税についての通知が来ても無視せず,司法書士・弁護士に相談し税金面について管理する者を定めるようにする

問題点2 相続人の増加で収拾がつかなくなる

  • 相続人が何もしないままに亡くなると,その亡くなった方の相続人が新たな権利者となるため,下の世代に行けば行くほど対象の不動産に対する権利者が増えてしまう。
  • 兄弟が多い家族だと,相続登記を数十年間放置した間に,権利者が30人以上になっていることも普通に起きている。
  • 対象の不動産についての権利者(相続人)が多くなると,相続登記(相続による不動産の名義変更)をするのに必要な,集めるべき戸籍の量も膨大になるため,時間と高額の費用がかかり,解決へ及び腰になってしまう。
  • 遺産分割協議は,1人でも不参加者がいると行うことはできず,不参加者がいるまま行った遺産分割協議は法律上無効となる。したがって,相続人が多数になると,遺産分割協議がまとまらない可能性が非常に大きくなる。
  • 1人でも合意しない相続人(数次相続人や代襲相続人を含む)がいれば,不動産の名義の変更はできなくなり,これを解消するために,遺産分割調停・審判といった裁判所を利用しての手続が必要となり,解決へ及び腰になってしまう。
  • 法律上は,共有状態なのに,一部の相続人が固定資産税を支払っており,不公平が生じているが,相続人の人数が多数で解決するのに時間がかかる。

解決策

  • 相続が開始した場合,直ちに相続人全員で遺産分割協議をまとめる努力をする。
  • 大事な土地が遺産に含まれる場合で,合意できない相続人が居るときは,大変だとしても遺産分割調停を起こし解決へ動く。
  • すでに相続人が多数にのぼっている場合は,様々な手続費用を誰が負担するのか,協力的な相続人は誰かなどを,早い段階から考慮を始めておく。
  • 協議で決着が付くのか,調停などの裁判所での手続きが必要かなど見極めるために,司法書士や弁護士へ相談しに行く。

問題点3 相続人の高齢化が進み認知症の方が出てくる

  • 手続をしないまま長期間経過してしまうと,相続人が高齢化し,認知症になる方が出てきてしまう。
  • 判断能力の低下が見られる場合,遺産分割協議を行うことはできず,他の相続人が書類を作成し,形式的に遺産分割協議書を整えたとしても法律上は無効。
  • 成年後見人の選任を家庭裁判所へ申立て,就任した成年後見人が認知症の方に代わって遺産分割協議に参加することになる。
  • 後見人は認知症の方の法定相続分を確保するよう裁判所から監督されるため,不動産を他の相続人の単独所有とする遺産分割協議を行う場合,それに代わるお金を代償金として認知症の方に支払わなければならない。代償金が支払えない場合,共有名義とすることになったりする。
  • 相続人の一部が,現に居住している不動産を,他の第三者の名義にすることは将来の紛争の原因にもなる。
  • 後見人が代わりに遺産分割協議や調停を行い不動産を共有とした場合,その後,当該不動産を売却する際には,認知症の方の共有持分の売却代金については当然後見人が受取管理することとなる。

解決策

  • 相続開始時点で,認知症の症状が観られる場合は,なるべく早く司法書士・弁護士へ相談し手続きに着手する。
  • 既に,認知症の症状が進んでいる場合,家庭裁判所へ成年後見人等の選任審判の申立てが必要となるが,司法書士・弁護士に依頼することにより手続きをスムーズに行うことができる。
  • 家庭裁判所へ提出する書類を作成できるのは,法令上,司法書士・弁護士のみであり,税理士や行政書士が行うと違法行為となるため注意する。
  • 成年後見制度をしっかり理解し,実際にこの制度を利用するとどういう状態になるのか把握した上で家庭裁判所へ申立を行う。一度申立をした後に,『やっぱりやめます』ということは裁判所が認めない。
  • 認知症の方に不動産を渡せない事情がある場合,他の共同相続人は,不動産共有持分に変わる代償金を準備する。
  • 不在者(行方不明の者)が居る場合も,不在者財産管理人の選任申立や,法定相続分の確保など,ほぼ同様と考えて良い。

問題点4 子や孫の世代に多額の費用を負担させてしまう

  • 気付くと相続人がどんどん増えてしまっており,孫やひ孫の世代の方々が,不動産の名義の異変に気づき相談に来られることが始まりとなることが多い。
  • 遺産分割調停・審判の申立てや,数十人の戸籍の収集の費用などを下の世代の孫等が負担する事になる。
  • 相続人が数十人単位になると,戸籍収集の実費だけで,数十万円かかることもざらにあり,誰がそれら費用を負担するのかも問題となる。
  • 一般の方が昔の戸籍を何十通,時には何百通と追っていきながら相続関係を把握することは非常に難しいと言わざるをえず,結局,弁護士や司法書士に依頼することになるのが通常。
  • 戦前は家督相続の家制度が取られており,戸主1人が全ての遺産を取得していたり,戸主以外の者は遺産相続が開始し現在と似た形の相続形態であったりと,専門家でなければ分からないことが多くあり,司法書士や弁護士に依頼せざるを得なくなる。

解決策

  • 身内が亡くなった場合,すぐに司法書士へ不動産の名義変更について相談・依頼する。
  • 既に相続人が多数となっている場合は,費用を誰が負担するのかの話し合いも始めておく。
  • 遺産分割協議や調停が,ある程度長期間にわたることを念頭においておく。
  • 売却予定であっても,直ちに売却手続きに着手することはできないことを理解しておく。
  • 相続人を確定させるために戸籍等の収集が必要となるが,戸籍は追ってみなければどこまで取れば良いのか分からないため,はじめから確定的な費用を算出することが難しい。

問題点5 固定資産税の支払や清算が複雑になる

  • 固定資産税の支払が無い場合,役所は共同相続人全員に,『固定資産税の支払についての管理者を決めて下さい』という趣旨の通知を送ってくる。
  • 役所からの通知を無視し続けると,当該不動産が差し押さえられてしまう可能性がある。
  • 遺産分割協議がまとまらず,誰の所有物になるのかが決まらない状態が続いたとしても,役所は事情に関係なく固定資産税を課税してくるため上記の通知が送られてくる。
  • 固定資産税の支払を長年続けていたことを理由に,その相続人の名義に出来る訳では無い。
  • 相談をお受けする中で多いのが,仕方なく1人の方が支払続けている場合です。遺産は,亡くなった瞬間に法律上当然に相続人に承継され,遺産共有状態となります。したがって,不動産も共同相続人の共有となるため,その税金の負担も相続分に応じて負担すべきなのです。しかし,遺産分割協議が整わない場合,税金の支払いは誰にするかも整わないことが多く,結局特定の方が仕方なく支払続けていることが多くあります。
  • 遺産分割協議が整い,結果的に特定の相続人の単独所有とした場合,法律上は遺産分割協議は相続開始に遡って効力を生じるため,はじめからその取得者が不動産を取得していたことになります。そうすると,固定資産税もその単独取得者が相続開始からの分を全て負担すべきとする考え方もできますし,遺産分割協議が整った後の分からを取得者は負担したいと考えることもありますし,遺産分割協議が整うまでの分は共同相続人全員が法定相続分の割合で負担すべきという考え方もあり,この点で紛争が生じることもあります。

解決策

  • 身内が亡くなったら,直ちに司法書士へ不動産の名義変更について相談・依頼する。
  • 一部の相続人が固定資産税の支払を行っている場合,その支払を証明する領収書等は保管しておき,話し合いや清算の場面で提示する。
  • 役所からの通知は無視しない。
  • 遺産分割協議や調停を行い,その中で固定資産税についても取り決める。清算が必要な事情があればそれについても決着をつける。

まとめ

 上記の解説の通り,相続登記(相続による不動産の名義変更)を行わずそのままの状態で時間が経過しまうと,様々な問題が生じてきます。​

 したがいまして相続登記(相続による不動産の名義変更)は,名義人の方が亡くなられた後,なるべく早い段階で手続を行う必要があるのです。

法律の改正で,相続登記(相続による不動産の名義変更)が義務化

相続登記の義務化へ

相続登記を義務づける法律の制定が進み、令和6年4月1日から運用が開始されます。

また、相続登記を怠った場合、過料の制裁を受ける規定もあるため注意が必要です。

 ◇◆相談◆◇


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